失礼な敬語

敬語は難しい。
日本人なのに、日本語は難しいと感じることがよくある。
社会人になって、敬語を使うようになり、
会社で敬語について教わるようになってから、
ようやく今まで使っていた「敬語のつもり」の言葉づかいが
 実は間違いだったことに気が付く。
そして、社会人として何年も敬語を使ってきた今でも、
「この言い方は間違っていたんだ」と知ることがある。

本来、敬語は丁寧な言い方、失礼のない話し方をするために使うものだが、
使い方を間違うと、かえって相手に失礼にあたることがある。
その例の一つが、尊敬語と謙譲語を間違って使うことだろう。
よく、会社でも間違った敬語を聞くことがある。
「先ほどお客様が申されました・・・」
「・・・と申しますと?」
これは、謙譲語の「申す」を、尊敬語と間違って使っている。

『失礼な敬語 誤用例から学ぶ、正しい使い方』という本が出ているらしい。
著者は、野口恵子さん。
この本で紹介されている中でも、「いただく」の誤用が多いと言う。
これを見て、ちょっとドキッとした。
確かに、なんとなく丁寧な言い方をしようと思うと、
「いただく」を使うことが多い。

前述の「申す」の使い間違いにしてもそうだが、
本人は正しい敬語と思って使っている。
もしかしたら自分も、間違った「いただく」の使い方をしているかもしれない。
仕事で、電話だけでなくメールも書くことがあるのだが、
時々、自分が書いている文章が正しい日本語なのかどうか
疑わしくなることがある。
何か、「これが正しい日本語」という指標となる本でも
買っておいた方が良いのかもしれない。

テレビでドラマなどを見ている時も、
「ああ、この言葉づかい、間違ってるな。」と思うことがよくある。
でもそれも、間違っていることに気づかない人が聞くと、
「正しい日本語なんだ」と思ってしまう。
ドラマのセリフなら、脚本家が決めているのではないかと思うのだが、
なぜ間違った日本語のセリフで演じさせてしまうのだろうか。
脚本家だけでなく、周りのスタッフや俳優自身も気づかないのかな?

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